ケルセチンは激しい運動による筋肉損傷後に、インスリン様成長因子-IおよびIIのレベルを調節する: プラセボ対照試験
Quercetin Modulates IGF-I and IGF-II Levels After Eccentric Exercise-Induced Muscle-Damage: A Placebo-Controlled Study
- 著作名:
- Paolo Sgrò
- Roberta Ceci
- Marco Lista
- Federica Patrizio
- Stefania Sabatini
- Francesco Felici
- Massimo Sacchetti
- Ilenia Bazzucchi
- Guglielmo Duranti
- Luigi Di Luigi
- 出典:
- Frontiers in Endocrinology
- 2021
- 12
- 745959
- DOI:
- 10.3389/fendo.2021.745959
- 要旨:
- 25.67 ± 3.87歳の若者12名を対象とする、ケルセチンの筋損傷の回復効果を検証した臨床研究。ランダムに2群に分け、片方はケルセチン1 gを14日間摂取し、もう片方はプラセボを服用した。その後、筋損傷を惹起する程の激しい運動と、続く血液検査を行った。3週間のウォッシュアウト期間を設け、介入食を入替えてクロスオーバーとした。刺激により分泌される、インスリン様成長因子(IGF)の動向に着目した。プラセボ群のIGF-Iレベルは、72時間後にピークがとなり、IGF-IIの7日後に先行した。一方、ケルセチン群では、IGF-IもIIも72時間後がピークで、その後ゆるやかに減少して、プラセボ群と比べて早い筋損傷の回復を示唆した。また、以下4種のバイオマーカーにて、群間有意差を認め、ケルセチンの効果を示した。細胞の損傷の指標であるクレアチンキナーゼ(p<0.005)、乳酸脱水素酵素(p<0.001)、ミオグロビン(p<0.05)、炎症の指標であるIL-6(p<0.05)。