フラボノイドとポリフェノールによる、犬ジステンパーウィルスのin vitro阻害: 抗ウィルス設計の構造的差異
In vitro inhibition of canine distemper virus by flavonoids and phenolic acids: Implications of structural differences for antiviral design
- 著作名:
- O.V. Carvalho
- C.V. Botelho
- C.G.T. Ferreira
- H.C.C. Ferreira
- M.R. Santos
- M.A.N. Diaz
- T.T. Oliveira
- J.A.P. Soares-Martins
- M.R. Almeida
- A. Silva Júnior
- 出典:
- Research in Veterinary Science
- 2013
- 95
- 717-724
- DOI:
- 10.1016/j.rvsc.2013.04.013
- 要旨:
- 犬ジステンパーウイルスを阻害する天然物を探索すべく、フラボノイドとポリフェノールに着目してスクリーニングを行った。前者からは、ケルセチン・モリン・ルチン・ヘスペリジンを選定した。後者からは、桂皮酸・トランス桂皮酸・フェルラ酸を選定した。犬ジステンパーウイルス複製サイクルの0(宿主細胞に吸着)~1時間後(宿主細胞への浸透)の時点で添加された場合、全てのフラボノイドは優れた阻害活性を示した。中でもケルセチンとヘスペリジンは、2時間後(宿主細胞内に存在)に添加されてもなお阻害作用を示した。桂皮酸は0~2時間後のいずれの添加でも阻害するが、トランス桂皮酸はウイルスを宿主細胞に感染させる1時間前に添加する、前処理においてのみ阻害作用を認めた。フェルラ酸は、モリンやルチンと同様に0~1時間後の添加が有効であった。