ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

フラボノイドとポリフェノールによる、犬ジステンパーウィルスのin vitro阻害: 抗ウィルス設計の構造的差異

In vitro inhibition of canine distemper virus by flavonoids and phenolic acids: Implications of structural differences for antiviral design

要旨:
犬ジステンパーウイルスを阻害する天然物を探索すべく、フラボノイドとポリフェノールに着目してスクリーニングを行った。前者からは、ケルセチン・モリン・ルチン・ヘスペリジンを選定した。後者からは、桂皮酸・トランス桂皮酸・フェルラ酸を選定した。犬ジステンパーウイルス複製サイクルの0(宿主細胞に吸着)~1時間後(宿主細胞への浸透)の時点で添加された場合、全てのフラボノイドは優れた阻害活性を示した。中でもケルセチンとヘスペリジンは、2時間後(宿主細胞内に存在)に添加されてもなお阻害作用を示した。桂皮酸は0~2時間後のいずれの添加でも阻害するが、トランス桂皮酸はウイルスを宿主細胞に感染させる1時間前に添加する、前処理においてのみ阻害作用を認めた。フェルラ酸は、モリンやルチンと同様に0~1時間後の添加が有効であった。