ケルセチンは核因子-E2関連因子2を関与させて、in vivoにて慢性的で予測不可能な軽度ストレスが誘発したうつ様行動を逆転する
Quercetin reverses chronic unpredictable mild stress-induced depression-like behavior in vivo by involving nuclear factor-E2-related factor 2
- 出典:
- Brain Research
- 2021
- 1772
- 147661
- DOI:
- 10.1016/j.brainres.2021.147661
- 要旨:
- 予測不可能で慢性的な軽度ストレスを与えて惹起したラットのうつ状態は、ケルセチンの投与で改善された。すなわち、オープンフィールド試験と強制水泳試験の2種類の評価系で、顕著な行動改善を認めた。うつ状態のラット海馬では、PI3K・Akt・核因子-E2関連因子2(Nrf2)・HO-1の発現ないしリン酸化が顕著に低下したが、ケルセチンによって全て正常化した。よって、PI3K/Akt/Nrf2/HO-1経路で抗うつ効果を発揮するメカニズムを提唱した。ケルセチン投与はまた、抗酸化作用も発揮して、海馬中のSOD・GSTが増大し、過酸化脂質・マロンジアルデヒド・一酸化窒素・iNOSは減少した。