ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

糖尿病性足潰瘍の治療における新製剤としてのケルセチンとオレイン酸を配合するナノヒドロゲル: パイロット研究

Nano-hydrogel embedded with quercetin and oleic acid as a new formulation in the treatment of diabetic foot ulcer: A pilot study

要旨:
61.7 ± 9.2歳の、下肢部を損傷した糖尿病性足潰瘍患者56名を対象とする臨床研究。ケルセチンとオレイン酸を含有するナノゲル製剤の有効性と安全性を検証した。被験者をランダムに2群に分け、片方の28名は0.2%ケルセチン-オレイン酸(等モル混合)ナノゲル製剤で処置を行い、残りの28名は比較対象として0.2%ヒアルロン酸で処置を行った。処置期間は12か月継続し、その間の傷の回復度合を定期的にモニタした。1か月後の治癒率はナノゲル製剤群が28名中19名、ヒアルロン酸群が28名中9名であった。完治までの日数はナノゲル製剤群が10 ± 5日、ヒアルロン酸群が25 ± 4日であった。60日以内の患部の上皮再形成率はナノゲル製剤群が28名中26名、ヒアルロン酸群が28名中16名であった。以上の3データには、いずれも統計的な有意差を認めた。また、重篤な副作用や有害事象は見られず、安全性も実証した。