ケルセチンは、ドキソルビシン-シクロホスファミド治療に付随する心毒性を軽減し、トリプルネガティブ乳癌の化学療法効果を強化する
Quercetin attenuates the cardiotoxicity of doxorubicin–cyclophosphamide regimen and potentiates its chemotherapeutic effect against triple-negative breast cancer
- 出典:
- Phytotherapy Research
- 2022
- 36
- 551-561
- DOI:
- 10.1002/ptr.7342
- 要旨:
- ドキソルビシンとシクロホスファミドとの併用は、トリプルネガティブ乳癌の化学療法であるが、心毒性ゆえ厳しい制限がある。心毒性が酸化ストレスに起因することに着目して、ケルセチンの添加を検討した。心筋細胞にドキソルビシンとシクロホスファミドが惹起した毒性は、ケルセチンによる活性酸素種の蓄積阻害とERK1/2経路の活性化により、軽減された。面白いことに、ケルセチンの2つの作用は、ドキソルビシンとシクロホスファミドの抗癌作用を増強する現象も見出した。