健常者によるリンゴとタマネギの摂取時における、ケルセチンの薬物動態
Pharmacokinetics of Quercetin Absorption from Apples and Onions in Healthy Humans
- 出典:
- Journal of Agricultural and Food Chemistry
- 2012
- 60
- 3874–3881
- DOI:
- 10.1021/jf3001857
- 要旨:
- 96ウェル固相抽出プレートとLC-MS-MSとを組合せたハイスループット法により、ヒト血漿の分析を行い、ケルセチンの体内動態を測定した。ケルセチンは食物中では配糖体として存在するが、血漿中の総ケルセチンとして薬物動態パラメータを算出する技術を確立した。健常者16名(男女8名ずつ)がリンゴの皮・タマネギ粉末・両者の混合物をそれぞれ摂取した際の、血漿中のケルセチン動態を調べた。その結果、タマネギ粉末の摂取はリンゴの皮と比較して、ケルセチンのより速い吸収・より高い濃度・より大きなバイオアベイラビリティを実現した。また、ケルセチンの吸収に性別の違いを認めなかったが、排泄半減期では顕著な違いを観察した。すなわち、女性の場合リンゴの皮で93.8時間、タマネギ粉末で15.2時間であったのに対し、男性では29.9および13.4時間であった。