ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

II型糖尿病および軽度認知障害の患者における、酸化・炎症因子へのケルセチンと低出力レーザーの効果

Effects of quercetin and low-level laser on oxidative and inflammatory factors among patients with type 2 diabetes mellitus and mild cognitive impairment

要旨:
健常者30名と、軽度認知障害を併発したII型糖尿病患者30名の、計60名の高齢者を被験者とした。前者を比較対象群とした。後者はランダムに4群に分け、以下の処置を行った。1) 処置なし、2) ケルセチン75 mg/dayの摂取、3) 低出力レーザー(532 nm, 100 mW)の照射、4) ケルセチンとレーザーの併用。1)は血液サンプルをそのまま分析した。2)および4)に関しては、2週間の摂取期間の後に採血を行った。3)および4)は、レーザー照射した血液サンプルを分析した。健常者の血中パラオキソナーゼとリポ蛋白質リパーゼは糖尿病患者と比べて有意に多く(P<0.001)、グルコース・過酸化水素・終末糖化産物・マロンジアルデヒド・酸化されたLDLは有意に少なかった(P<0.001)。糖尿病患者由来の血液サンプルの分析結果は、炎症性因子(TNF-α・IL-1α・IL-1β)に1)~4)間で差は認めなかった。しかし、終末糖化産物・マロンジアルデヒド・酸化されたLDL・パラオキソナーゼに関して、1) vs. 4)間に有意差を認め、ケルセチンと低出力レーザーとの相乗効果を示唆した。