ケルセチンを担持したPVCL–PVA–PEGミセルの開発と、PI3K/Akt/VEGF経路を介する腫瘍血管新生の阻害
Development of quercetin-loaded PVCL–PVA–PEG micelles and application in inhibiting tumor angiogenesis through the PI3K/Akt/VEGF pathway
- 出典:
- Toxicology and Applied Pharmacology
- 2022
- 437
- 115889
- DOI:
- 10.1016/j.taap.2022.115889
- 要旨:
- 両親媒性ポリマー(ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコール共重合体)にケルセチンを担持して、平均粒子サイズ55.3 ± 1.8 nmのナノミセルを得た。このナノミセルは、ケルセチンの細胞取込みを促進し、ミセルを細胞内リソソームおよびミトコンドリアに輸送できた。ヒト臍帯静脈内皮細胞にミセルを作用すると、ケルセチンの細胞毒性が増強され、同細胞の遊走と浸潤も阻害した。In vivo実験では、ミセルは固形腫瘍組織の増殖を有意に阻害し、血管新生のマーカーCD31の発現とPI3K/Akt/VEGF経路を阻害した。すなわち、血管新生の阻害を介して腫瘍の成長を抑制した。