ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

化学療法で老化した乳癌細胞を、ヒドロキシ基をブロックしたケルセチン誘導体が除去する老化細胞除去作用

Senolysis-Based Elimination of Chemotherapy-Induced Senescent Breast Cancer Cells by Quercetin Derivative with Blocked Hydroxy Groups

要旨:
ダサニチブで老化させた細胞をケルセチンで取り除く「老化細胞除去」の効率を改良すべく、エトポシドと新規ケルセチン誘導体との組合せを検討した。B環のカテコールをケタールで保護し、残りの3か所のフェノールをアセチル化した誘導体を合成した。トリプルネガティブ乳癌細胞株MDA-MB-231に、この誘導体とエトポシドを作用させた。その結果、エトポシドの単独時と比較してアポトーシスを増加し、老化した癌細胞の除去を促進した。この際、β-ガラクトシダーゼ活性と、p27・IL-1・IL-8・HSP70の発現の低下が伴った。なお、正常細胞には同様の現象が見られず、癌細胞に特有であることを示した。