ケルセチンはヒト由来卵巣癌細胞のp53依存性小胞体ストレス経路を介して、DNA二本鎖切断修復を抑制し、放射線感受性を増強する
Quercetin suppresses DNA double-strand break repair and enhances the radiosensitivity of human ovarian cancer cells via p53-dependent endoplasmic reticulum stress pathway
- 出典:
- OncoTargets and Therapy
- 2018
- 11
- 17-27
- DOI:
- 10.2147/OTT.S147316
- 要旨:
- ヒト由来卵巣癌細胞にケルセチン処置と放射線照射を併用すると、DNA損傷とアポトーシスを促進した。同時に、Baxとp21の発現の増大と、Bcl-2の発現の減少を確認した。ケルセチンによる放射線感受性の増大は、ATM(DNAの二本鎖切断によって活性化される)がリン酸化されてシグナル伝達が開始する。なお、腫瘍抑制蛋白質のp53をノックアウトした細胞では、ケルセチンと放射線を併用しても無効であった。小胞体ストレスがp53を合成することはよく知られており、ケルセチンの作用は、p53依存性の小胞体ストレス経路によると理解できる。