ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンによる糖尿病モデルラットの創傷治癒の加速には、酸化ストレスの緩和と増殖期の刺激を必要とする

Acceleration of wound healing by quercetin in diabetic rats requires mitigation of oxidative stress and stimulation of the proliferative phase

著作名:
Vinay Kant
Maneesh Sharma
Babu Lal Jangir
Vinod Kumar
出典:
Biotechnic & Histochemistry
2022
97
461-472
DOI:
10.1080/10520295.2022.2032829
キーワード:
ラット
糖尿病
創傷治癒
ケルセチン
抗酸化作用
増殖期
動物実験
要旨:
ラットを3群(正常、糖尿病、糖尿病+ケルセチン処置)に分けた。糖尿病群およびケルセチン処置群は、ストレプトゾトシンで糖尿病を惹起した。それぞれの背中に2 cm2の皮膚創傷を与え、ケルセチン処置群はケルセチンを含む軟膏を塗布し、正常群および糖尿病群は軟膏基剤のみを塗布した。3週間後、ケルセチン処置群は糖尿病群と比べて、カタラーゼ・GPx・SOD・総チオールが顕著に上昇し、マロンジアルデヒドは減少した。また、肉芽組織の形成と治癒した組織の質は、ケルセチン処置群は糖尿病群と比べて有意な改善効果を示した。増殖性細胞核抗原(PCNA)に関しては、処置を始めて7日後に、ケルセチン処置群の他2群に対する有意性を認めた。以上の結果は、創傷の抗酸化状態を改善し、増殖期を刺激して、創傷治癒を促進するケルセチンの挙動を明らかにした。