ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンは上皮成長因子受容体のシグナル伝達を標的として、糖尿病性腎症における糸球体上皮細胞のアポトーシスを軽減する

Quercetin Attenuates Podocyte Apoptosis of Diabetic Nephropathy Through Targeting EGFR Signaling

要旨:
糸球体上皮細胞の損傷は、糖尿病性腎症における蛋白尿の主原因である。従って、同細胞のアポトーシスの抑制が、蛋白尿の予防戦略となる。本研究ではケルセチンの効果を、vitro(高濃度のグルコースを作用した糸球体上皮細胞)とvivo(糖尿病モデルマウス)の両方で検証した。いずれにおいてもケルセチンはBaxとカスパーゼ-3を減少し、Bcl-2は増大して、アポトーシスを軽減した。また、ネットワーク解析にて上皮成長因子受容体(EGFR)がケルセチンの潜在的な標的と予測したが、実験結果からも裏付けが取れた。すなわち、ケルセチンは濃度依存的にEGFRのリン酸化を阻害した。