ケルセチンのロジウム(III)錯体: 合成・物性評価・多様な生物学的性質
Quercetin - Based Rhodium(III) Complex: Synthesis, Characterization and Diverse Biological Potentials
- 出典:
- Journal of Molecular Structure
- 2022
- 1257
- 132584
- DOI:
- 10.1016/j.molstruc.2022.132584
- 要旨:
- 塩化ロジウムとケルセチンより、新規ケルセチンーロジウム錯体を合成した。微結晶粉末のXRDデータと計算化学を基に、2分子のケルセチンがそれぞれ3位と4位で2点配位した、RhL2(H2O)Cl (L=ケルセチン)と構造決定した。スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性を調べたところ、この新規錯体は、他のミミックと比べて中程度であった。ロジウム錯体のDPPHラジカル消去活性は、フリーのケルセチンよりも高かった。子宮頸癌細胞株HeLaに対しては、p53を増加してその複製を防ぎ、Bcl-2とMMP-9の両方を阻害し、次にカスパーゼ9を活性化してアポトーシスを誘導した。アポトーシスの活性化は、G1期前の細胞周期停止も誘発した。