主成分分析を活用したLC-MSによるアミロイドβ凝集阻害剤の活性差探索法
Activity-differential search for amyloid-β aggregation inhibitors using LC-MS combined with principal component analysis
- 出典:
- Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters
- 2022
- 61
- 128613
- DOI:
- 10.1016/j.bmcl.2022.128613
- 要旨:
- アミロイドβ42の凝集阻害作用を持つ化合物を、生薬から探索した。18種類の植物に由来する46種の生薬をスクリーニングしたところ、ハス由来5つの生薬、荷梗(カコウ: 葉柄)・荷葉(カヨウ: 葉)・藕節(グウセツ: 根節)・蓮鬚(レンス: 雄蕊)・蓮房(レンボウ: 果托)に活性を認めた。これらの抽出物のLC-MSデータを主成分分析して、12種の活性候補化合物を推定した。チオフラビンT試験の結果、2種のケルセチン配糖体と6種のフラボノイド(ケルセチン・ロビネチン・ケンフェロール・モリン・ダチセチン・ミリシトリン)を活性成分として特定した。この中ではケルセチンが、最も強い凝集阻害活性を示した。LC-MSデータの主成分分析は、成分の単離をせずに活性成分を知る手法であることを、本研究が明確にした。