ケルセチンがラットに誘発した筋組織血管の収縮に対する、機能的・電気生理学的・分子動力学解析
Functional, electrophysiology, and molecular dynamics analysis of quercetin-induced contraction of rat vascular musculature
- 出典:
- European Journal of Pharmacology
- 2022
- 918
- 174778
- DOI:
- 10.1016/j.ejphar.2022.174778
- 要旨:
- ケルセチンは血管のCaV1.2チャネル(カルシウムチャネルの一種)電流を刺激するが、その詳細なメカニズムを研究した。CaV1.2チャネル刺激剤Bay-K8644を参照化合物として、ラット大動脈由来の筋細胞を用いて行った。ケルセチンとBay-K8644はどちらも、弱く脱分極した際のCaイオンに対する応答を増強した。しかし、KCl濃度が高いと、ケルセチンが血管弛緩を引き起こした。Bay-K8644はCaV1.2チャネル電流を刺激したが、この効果は時間とともに持続し、ケルセチンによって誘発された刺激は一時的であった。よって、筋小胞体のCaイオン緩衝機能が損なわれた場合か、平滑筋細胞膜が中程度に脱分極した場合に、ケルセチンは血管収縮を促進した。