ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

中国人健常者におけるP糖蛋白質の輸送能力へのケルセチンの効果

Effect of quercetin on P-glycoprotein transport ability in Chinese healthy subjects

著作名:
S.-Y. Wang
K.-M. Duan
Y. Li
Y. Mei
H. Sheng
H. Liu
X. Mei
W. Ouyang
H.-H. Zhou
Z.-Q. Liu
出典:
European Journal of Clinical Nutrition
2013
67
390–394
DOI:
10.1038/ejcn.2013.5
キーワード:
臨床研究
P糖蛋白質
遺伝子型
タリノロール
薬物動態
ケルセチン
要旨:
P糖蛋白質の遺伝子型がタリノロールとケルセチンの相互作用に及ぼす影響を検証した、臨床研究。18名の中国人健常者を2群に分け、1~13日目に片方がケルセチン500 mg/dayを摂取し、もう片方はプラセボを服用した。両群とも14日目にはタリノロールを投与した後、定期的に採血して薬物動態を測定した。28日間のウォッシュアウト期間を設け、最初の13日間の摂取内容を入換えてクロスオーバーとした。0~48時間のタリノロールの血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、プラセボ群が7809.5±2386.8 ng h/mLで、ケルセチン群が6496.6±2389.9 ng h/mLであった。最大血中濃度(Cmax)は、プラセボ群が543.3±97.9 ng/mLで、ケルセチン群が412.9±132.6 ng/mLであった。遺伝子型MDR1 3435 CC/MDR1 3435 CT/MDR1 3435 TTでデータをサブグループ解析したところ、ケルセチンの影響を最も受けて、タリノロールの吸収が最も下った遺伝子型は、MDR1 3435 TTであった。一方、MDR1 3435 CCは最も影響が少なかった。