ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ルチンとCastanopsis tribuloidesの樹皮抽出物はミクロソームのプロスタグランジンE合成酵素-1を阻害して、発熱を軽減する

Rutin hydrate and extract from Castanopsis tribuloides reduces pyrexia via inhibiting microsomal prostaglandin E synthase-1

要旨:
ブナ科の植物Castanopsis tribuloidesの樹皮抽出物(CTB)の解熱作用を、新たに発見した。パン酵母を皮下注射して発熱したマウスにCTBを投与すると、濃度依存的な効果を示した。すなわち、200 mg/kgのCTBは2時間で直腸の温度を正常に戻し、400 mg/kgでは30分で正常化した。CTBをHPLC分析したところ、ルチンが主成分であり、他に8種のポリフェノールを同定した。解熱作用はプロスタグランジンE合成酵素-1の阻害に基づくと仮定し、分子ドッキングを実施した。その結果、ルチンが同酵素の結合ドメインに最も高い親和性を示し、有効成分であると結論した。