甲状腺機能亢進症の猫が示す酸化還元不均衡のメチマゾール治療における、抗酸化剤のサプリメント効果: 単盲検ランダム化比較試験
Evaluation of Antioxidant Supplementation on Redox Unbalance in Hyperthyroid Cats Treated with Methimazole: A Blinded Randomized Controlled Trial
- 著作名:
- Alessia Candellone
- Paola Badino
- Paola Gianella
- Flavia Girolami
- Graziella Raviri
- Vittorio Saettone
- Giorgia Meineri
- 出典:
- Antioxidants
- 2020
- 9
- 15
- DOI:
- 10.3390/antiox9010015
- 要旨:
- 甲状腺機能亢進症と診断された、すなわち血中チロキシン濃度が4.3 μg/dL以上の飼猫30匹を対象とする試験。ランダムに2群に分け、16匹を抗酸化剤サプリ群、14匹をプラセボ群とした。全ての猫は治療として、メチマゾール2.5 mgを1日2回服用した。これに加え、抗酸化剤サプリ群の猫は、クルクミン100 mg、ケルセチン40 mg、レスベラトロール1.5 mg、ビタミンE 15 mgから成る抗酸化剤を油ベース乳化剤でペースト状にしたサプリを、1日1回摂取した。一方、プラセボ群はプラセボを摂取して、比較対照とした。服用/摂取期間は180日間とし、途中の15日目、30日目、90日目に検査を行い、血中チロキシン濃度にて治療効果を検証し、酸化ストレス値にて副作用をモニタした。全ての猫の血中チロキシン濃度が4.3 μg/dL以下となり、抗酸化剤サプリ群とプラセボ群は、同等の治療効果が実証された。特筆すべきことに、治療開始後15日目で既に、チロキシン濃度は、開始時と比べて統計的に有意差(P<0.001)を示した。