前臨床における糖尿病性腎症に対するケルセチンの効果: 動物実験のメタ解析
Preclinical evidence of the effect of quercetin on diabetic nephropathy: A meta-analysis of animal studies
- 出典:
- European Journal of Pharmacology
- 2022
- 921
- 174868
- DOI:
- 10.1016/j.ejphar.2022.174868
- 要旨:
- ケルセチンの糖尿病性腎症に対する効果を動物実験で示した論文を、メタ解析した。各種データベースを検索して得た204件のヒットより、1次スクリーニングとして内容が合致しない論文147件を除外し、2次スクリーニングとしてケルセチンを含む抽出物や多成分を投与した14件、学会抄録6件、本文にアクセスできない9件、主要データが未記載の8件を除外した、計20件の論文を対象にメタ解析を行った。その結果、ケルセチンの腎機能の改善(腎中の蛋白質および尿酸・尿中アルブミン・血中クレアチニン)に有意差を認めた。根底にあるメカニズムは、ケルセチンの抗酸化作用(SODとカタラーゼの増大、マロンジアルデヒドの減少)および抗炎症作用(TNF-αおよびIL-1βの減少)である。