ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはNF-κBシグナル伝達経路を阻害して、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)が誘発する腎毒性を改善する

Quercetin ameliorates di(2-ethylhexyl)phthalate-induced nephrotoxicity by inhibiting NF-κB signaling pathway

要旨:
Vitro: ヒト胎児由来腎細胞株HEK-293にフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)で処理すると、酸化的な損傷が誘発される。しかし、予めケルセチンを投与すると、濃度依存的な防止効果を認めた。Vivo: DEHPが誘発するラットの腎損傷は、ケルセチンの共投与が抑制した。ケルセチンの用量を50 mg/kgと100 mg/kgで検討したが、100 mg/kgに有意差を認めた。100 mg/kgのケルセチン投与時では、NF-κBとTNF-αの遺伝子発現が顕著に減少したが、Nrf2とHO-1の遺伝子に変化はなかった。よって、ケルセチンの作用は、NF-κBシグナル伝達経路の阻害に基づく。