健常者における、P糖蛋白質基質フェキソフェナジンの薬物動態へのケルセチンの短期摂取の影響
Short-term effect of quercetin on the pharmacokinetics of fexofenadine, a substrate of P-glycoprotein, in healthy volunteers
- 出典:
- European Journal of Clinical Pharmacology
- 2009
- 65
- 609–614
- DOI:
- 10.1007/s00228-009-0627-6
- 要旨:
- ケルセチンはP糖蛋白質を阻害する。従って、P糖蛋白質基質として知られるヒスタミンH1受容体拮抗薬フェキソフェナジンとの相互作用を臨床で検証した。20名の健常者をランダムに2群に分け、ケルセチン(500 mgを1日3回)もしくはプラセボを1週間服用した後、フェキソフェナジン60 mgを経口投与して、その後の血中および尿中濃度をモニタした。ケルセチンは、フェキソフェナジンの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を55%増大し(2,005.3 vs. 3,098.6 ng·h/mL, P < 0.001)、最大血中濃度(Cmax)は68%上昇した(295.3 vs. 480.3 ng/mL, P = 0.006)。しかし、経口クリアランスは、ケルセチンが37%低下した(61.4 vs. 38.7 L/h, P < 0.001)。また、腎クリアランスとその半減期は、両群間に違いはなかった。