暑い中の運動能力に食物性アデノシン受容体拮抗薬の効果はない
No effect of nutritional adenosine receptor antagonists on exercise performance in the heat
- 著作名:
- Samuel N. Cheuvront
- Brett R. Ely
- Robert W. Kenefick
- Bozena B. Michniak-Kohn
- Jennifer C. Rood
- Michael N. Sawka
- 出典:
- American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology
- 2009
- 296
- R394–R401
- DOI:
- 10.1152/ajpregu.90812.2008
- 要旨:
- 健常者10名を対象とする、アデノシン受容体拮抗薬(ケルセチン、カフェイン)の摂取と、暑い中での運動能力への影響を検証した臨床研究。室温40℃湿度20~30%の条件下で、最大酸素摂取量の50%となる強度で自転車エルゴメーターを用いる運動を30分間行った後、ランダムに3群に分けた。それぞれに割り当てられた、ケルセチン(2000 mg)、カフェイン(9 mg/kg)、プラセボを摂取した後、15分間のタイムトライアルを行った。その直後に、血液サンプル、生理学(心拍数・直腸と皮膚の体温)、知覚(知覚された運動・痛み・熱的な快適さ・動機付け)、運動パフォーマンスを測定した。カフェイン群の直腸温が他2群と比べて高い(P<0.05)以外は、全ての項目で群間に差がなかった。運動パフォーマンスは、ケルセチン群が151.1±31.6 kJ、カフェイン群が157.3±28.9 kJ、プラセボ群が153.5±28.3 kJであった(P>0.05)。よって、アデノシン受容体拮抗薬の摂取は、暑い中での急性的な運動能力に影響がない。