ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ルチンとコハク酸ルチンはハララカの毒素を中和し、致死性を軽減する

The Bioflavonoids Rutin and Rutin Succinate Neutralize the Toxins of B. jararaca Venom and Inhibit its Lethality

要旨:
ハララカ(ブラジルに生息する毒蛇)の毒素の緩和に、ルチンとコハク酸エステル誘導体(糖部分のOHをハーフエステル化した)が効果を示した。コハク酸エステル誘導体はルチンと同等の抗酸化作用とPDI阻害活性を有していたが、ルチンより水溶性が増した。さらにルチンにはない性質として、コハク酸エステル誘導体は、ハララカ毒に含まれる蛋白質分解酵素を阻害し、ハララカ毒の血漿凝固を阻害した。マウスにハララカ毒を注射すると、出血・赤血球数の減少・血小板減少症・低フィブリノーゲン血症を誘発した。しかし予めルチンもしくはコハク酸エステル誘導体を投与すると、血小板数とフィブリノーゲンレベルを回復し、出血を抑制した。