イソラムネチンによる結直腸癌の予防は、発癌性蛋白質のSrcとβ-カテニンの調節に依存する
Chemopreventive Activity of Plant Flavonoid Isorhamnetin in Colorectal Cancer Is Mediated by Oncogenic Src and β-Catenin
- 著作名:
- Shakir M. Saud
- Matthew R. Young
- Yava L. Jones-Hall
- Lilia Ileva
- Moses O. Evbuomwan
- Jennifer Wise
- Nancy H. Colburn
- Young S. Kim
- Gerd Bobe
- 出典:
- Cancer Research
- 2013
- 73
- 5473–5484
- DOI:
- 10.1158/0008-5472.CAN-13-0525
- 要旨:
- 疫学研究よりイソラムネチンの摂取と進行性腺腫再発のリスク低下との関連が示されたが、そのメカニズムを動物実験で解明した。アゾキシメタン(AOM)とデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)による処置はマウスに結直腸癌を誘発するが、イソラムネチンの投与は、死亡率・腫瘍数・腫瘍組織の量をそれぞれ62%、35%、59%減少させた。イソラムネチンは、AOM/DSSがもたらすc-Src活性化とβ-カテニンの核転座を阻害し、チロシンキナーゼの負の調節因子CSKの発現を促進した。同様にヒト由来結腸癌細胞株HT-29においてもイソラムネチンは、CSKの発現を誘導して、発癌性蛋白質のSrc活性とβ-カテニンの働きを阻害した。