ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

多層カーボンナノチューブがマウスに誘発した免疫毒性・炎症・酸化ストレスの、ケルセチンによる改善効果

Quercetin-Ameliorated, Multi-Walled Carbon Nanotubes-Induced Immunotoxic, Inflammatory, and Oxidative Effects in Mice

要旨:
多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)で惹起したマウスの免疫毒性・炎症・酸化ストレスは、ケルセチンが改善した。MWCNTsは脾臓を拡大し、白血球・リンパ球・好中球を減少し、血中IgM・IgG・IgAも減少したが、ケルセチンの投与で緩和した。ケルセチンは過酸化脂質とマロンジアルデヒドを減少し、脾臓中の抗酸化物質(GSH・SOD・カタラーゼ)を増大した。脾臓中の炎症マーカーに関するケルセチンの関与は、以下の通り; TNF-α・IL-1β・IL-6の発現はmRNAレベルで、TGF-ß・COX-2・IL-10の発現は遺伝子レベルで、いずれも下方調節した。ケルセチンの脾臓組織への影響は、単核細胞浸潤の減少・病変の最小化・リンパ球枯渇の回復であった。