ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチン摂取の脂質プロファイルに対する効果: ランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタ解析

Effects of quercetin supplementation on lipid profile: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

著作名:
Amirhossein Sahebkar
出典:
Critical Reviews in Food Science and Nutrition
2017
57
666-676
DOI:
10.1080/10408398.2014.948609
キーワード:
ケルセチン
脂質プロファイル
中性脂肪
無作為化
プラセボ対照
臨床研究
システマティックレビュー
メタ解析
摂取量
サブグループ解析
要旨:
Medlineを検索して得た、ケルセチンの血中脂質に対する効果を報告した無作為化プラセボ対照臨床研究の論文を対象に、システマティックレビューとメタ解析を行った。被検者442名(ケルセチン群: 221名、プラセボ群: 221名)のデータを統合した。その結果、LDL(加重平均差: 1.43 mg/dL, 95%信頼区間: −0.92, –3.78, P=0.23)、HDL(加重平均差: 0.26 mg/dL, 95%信頼区間: −0.74, –1.25, P= 0.61)、中性脂肪(加重平均差: −9.42 mg/dL, 95%信頼区間: −27.80, –8.96, P=0.32)であり、ケルセチンの摂取による有意差を認めなかった。ケルセチンの摂取量によるサブグループ解析を行ったところ、500 mg/day以上の摂取で、総コレステロール(加重平均差: 3.57 mg/dL, 95%信頼区間: 0.21, –6.92, P=0.04)および中性脂肪の減少(加重平均差: −24.54 mg/dL, 95%信頼区間: −33.09, −15.99, P<0.00001)にケルセチンの効果を認めた。しかし、LDLとHDLには差がなかった。中性脂肪の変化は、脂質プロファイルの他の指標ではなく、ケルセチンの投与量(傾き: -0.057, 95%信頼区間: –0.103, –0.010, P=0.02)および摂取期間(傾き: -5.314, 95%信頼区間: –9.482, –1.147, P=0.01)と有意に関連していた。従って、ケルセチン摂取による血中脂質プロファイルへの効果は、中性脂肪の減少以外に認めなかった。