インドメタシンが誘発した腸上皮のバリア機能喪失の、タマネギの皮に存在するケルセチン酸化代謝物による保護: in vitroおよびin vivo研究
Protection against indomethacin-induced loss of intestinal epithelial barrier function by a quercetin oxidation metabolite present in onion peel: In vitro and in vivo studies
- 著作名:
- Jocelyn Fuentes
- Oscar Brunser
- Elías Atala
- José Herranz
- Adriano Costa de Camargo
- Hermann Zbinden-Foncea
- Hernán Speisky
- 出典:
- The Journal of Nutritional Biochemistry
- 2022
- 100
- 108886
- DOI:
- 10.1016/j.jnutbio.2021.108886
- 要旨:
- タマネギの皮に存在するケルセチン酸化代謝物である2-(3,4-dihydroxybenzoyl)-2,4,6-trihydroxy-3(2H)-benzofuranone (BZF)は、ケルセチンより抗酸化力が強い。タマネギ皮抽出物およびBZFの、腸上皮のバリア機能の保護効果を、virtoとvivoの両方で検証した。Vitro: Caco-2にインドメタシンを作用すると、酸化ストレスに起因する細胞の損傷により、蛍光指標デキストランの吸収が増大した。タマネギ皮抽出物もしくはBZFの存在下では、蛍光指標デキストランの吸収が増大が抑制された。Vivo: インドメタシンを投与したラットは、血中の蛍光指標デキストラン濃度のが30倍に上昇した。しかし、タマネギ皮抽出物(BZF換算で80 µg/kg相当)を投与すると、完全に打消された。インドメタシンがもたらすNF-ĸBの活性化・IL-8の分泌・ミエロペルオキシダーゼ活性の増加は、BZFが予防して、上皮のバリア機能を保護した。