ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

メタボロミクス解析による、カドミウムが誘発したラットの肝毒性に対するケルセチンの効果の検証

Metabolomics analysis of the effects of quercetin on Cd-induced hepatotoxicity in rats

要旨:
ラットにカドミウムを投与した際の肝毒性と、ケルセチンの共投与による軽減効果を、メタボロミクス解析で検証した。カドミウムを12週間投与した後の肝組織をメタボロミクス解析した結果、12種類の代謝物を特定した。グリセロホスホコリン(18:0/14:1(9Z))およびアラキドン酸が顕著に低下し、一方で胆汁酸類・プロスタグランジン類・酸化型グルタチオン・コレステロール・プロトポルフィリンIX・ビリルビンは、大幅に上昇した。ケルセチンの共投与は、カドミウムの影響を用量依存的に元に戻した。従ってケルセチンの肝保護効果は、胆汁酸代謝の調節が根底にある。