腫瘍壊死因子-α(TNF-α)が誘発するマトリックスメタロプロテアーゼ-9(MMP-9)の発現を阻害して、ケルセチンは抗炎症効果を発揮する
Quercetin exerts anti-inflammatory effects via inhibiting tumor necrosis factor-α-induced matrix metalloproteinase-9 expression in normal human gastric epithelial cells
- 出典:
- World Journal of Gastroenterology
- 2022
- 28
- 1139-1158
- DOI:
- 10.3748/wjg.v28.i11.1139
- 要旨:
- ヒト由来胃粘膜内皮細胞GES-1を用いる、ケルセチンの薬効評価。同細胞をTNF-αで刺激すると、濃度依存的なMMP-9の発現を、mRNAと蛋白質の両方のレベルで認めた。ケルセチンもしくはTNF-α拮抗剤を予め投与した細胞では、TNF-αの作用は打消された。ケルセチンはTNF-α拮抗剤と同様に、c-Src・ERK1/2・c-Fos・p65のリン酸化を阻害した。以上の結果は、TNF-αによるMMP-9の発現阻害がケルセチンの抗炎症作用の根底にあることを示唆した。