ケルセチンの薬物動態および腫瘍への取り込みを微調整するセレンを含むノバソーム: エーリッヒ腫瘍のマウスにおける、最適化および放射能の体内分布
Tailoring of Selenium-Plated Novasomes for Fine-Tuning Pharmacokinetic and Tumor Uptake of Quercetin: In Vitro Optimization and In Vivo Radiobiodistribution Assessment in Ehrlich Tumor-Bearing Mice
- 出典:
- Pharmaceutics
- 2022
- 14
- 875
- DOI:
- 10.3390/pharmaceutics14040875
- 要旨:
- ノバソーム(遊離脂肪酸を多く含むリポソーム)を担体とするDDSを設計した。ケルセチンのみ担持した場合と、セレンとケルセチンを共担持した場合を比較した。ケルセチンのみ担持したノバソームは、67.2%の捕捉率、粒径が107.3 nm、ゼータ電位が-34.7 mV、24時間のケルセチン放出が43.3%であった。一方、共担持のDDSは70.9%の捕捉率、粒径が129.2 nm、ゼータ電位が-31.3 mV、24時間のケルセチン放出が43.3%であった。ヒト横紋筋肉腫細胞に対するIC50値は、共担持のノバソームが5.56 μg/mL、ケルセチンのみ担持したノバソームが17.63 μg/mL、フリーのケルセチンがノバソームが38.71 μg/mLであった。テクニチウム99でラベルしたDDSをエーリッヒ腫瘍のマウスに投与して、腫瘍組織への取り込みを比較した。その結果、共担持のノバソームは、ケルセチンのみ担持した場合の1.73倍で、フリーのケルセチンの5.67倍の取り込み効率を示した。以上の結果は、抗癌活性と送達効率の両方において、共担持はセレンとケルセチンとの相乗効果を生み出した。