ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ヒトにおけるケルセチン配糖体の薬物動態とバイオアベイラビリティ

Pharmacokinetics and Bioavailability of Quercetin Glycosides in Humans

要旨:
12名の健常者を対象に、4通りの食品を摂取した際のフラボノイドの体内動態をクロスオーバーで測定した。1) タマネギサプリ、2) ケルセチン-4′-O-グルコシド、3) そば茶、4) ルチン。1)と2)の摂取量はケルセチンアグリコン換算で100 mgに相当し、3)と4)は200 mgに相当する。いずれにおいても、血中にケルセチンアグリコンは検出されず、グルクロン酸抱合体として検出された。1) vs. 2)にて、体内動態パラメータとバイオアベイラビリティに差が見られず、最大血中濃度は2.3±1.5および2.1±1.6 μg/mLであり、その到達時間は0.7±0.2および0.7±0.3 hであった。3)および4)では高ドーズでありながら、最大血中濃度は0.6±0.7および0.3±0.3 μg/mLにとどまり、到達時間は3)が4.3±1.8 hで4)が7.0±2.9 hと乖離が見られた。消失半減期は、すべての群で約11時間であった。以上の結果は、体内動態は糖部分に依存し、ケルセチン-4′-O-グルコシドとルチンとでは吸収部位が異なることを示唆した。