ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

部分的に炭化したケルセチンは、H1N1タイプのA型インフルエンザウィルスに対する活性が高まる

Partial carbonization of quercetin boost the antiviral activity against H1N1 influenza A virus

要旨:
ケルセチンを熱処理して部分的に炭化したナノゲルは、水溶性が向上した。A型インフルエンザウィルスに感染した細胞を用いて、ナノゲルの抗ウィルス評価を行った。その結果、同時処理・前処理・後処理のいずれにおいてもナノゲルは、ウィルス粒子(ビリオン)と相互作用して阻害効果を示した。特筆すべきは、ナノゲルのインフルエンザウィルスに対する選択性指数は857.1であり、通常のケルセチンの63.7や既存の治療薬(4~81)と比べてはるかに高かった。マウスモデルによる薬効評価にて、ナノゲルは同用量のケルセチンと比べて、抗ウィルス活性・抗酸化作用・抗炎症作用のいずれもが良好だった。