部分的に炭化したケルセチンは、H1N1タイプのA型インフルエンザウィルスに対する活性が高まる
Partial carbonization of quercetin boost the antiviral activity against H1N1 influenza A virus
- 著作名:
- Hung-Yun Lin
- Yu-Ting Zeng
- Chin-Jung Lin
- Scott G. Harroun
- Anisha Anand
- Lung Chang
- Chang-Jer Wu
- Han-Jia Lin
- Chih-Ching Huang
- 出典:
- Journal of Colloid and Interface Science
- 2022
- 622
- 481-493
- DOI:
- 10.1016/j.jcis.2022.04.124
- 要旨:
- ケルセチンを熱処理して部分的に炭化したナノゲルは、水溶性が向上した。A型インフルエンザウィルスに感染した細胞を用いて、ナノゲルの抗ウィルス評価を行った。その結果、同時処理・前処理・後処理のいずれにおいてもナノゲルは、ウィルス粒子(ビリオン)と相互作用して阻害効果を示した。特筆すべきは、ナノゲルのインフルエンザウィルスに対する選択性指数は857.1であり、通常のケルセチンの63.7や既存の治療薬(4~81)と比べてはるかに高かった。マウスモデルによる薬効評価にて、ナノゲルは同用量のケルセチンと比べて、抗ウィルス活性・抗酸化作用・抗炎症作用のいずれもが良好だった。