ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

老化細胞除去剤はヒトの老化細胞を減少する: 糖尿病性腎症患者を対象とするダサチニブとケルセチンの臨床研究の予備報告

Senolytics decrease senescent cells in humans: Preliminary report from a clinical trial of Dasatinib plus Quercetin in individuals with diabetic kidney disease

要旨:
ケルセチンとダサチニブの組合せは老化細胞除去剤として知られているが、ヒトにも効果があることを初めて検証した。68.7±3.1歳の糖尿病性腎症患者9名を対象に、オープンラベルで実施した。ケルセチン1000 mg/dayとダサチニブ100 mg/dayを3日間投与し、11日後に脂肪組織・皮膚組織・血液を採取して、老化細胞の状況を投与前と比較した。その結果、p16およびp21が発現した細胞・老化に深く関連するガラクトシダーゼ活性を有する細胞・複製能が制限された前脂肪細胞が、脂肪組織で顕著に低減した。これらの老化細胞が活性化する、脂肪組織マクロファージと冠状構造も減少した。皮膚表皮ではp16およびp21が発現した細胞が、IL-1α・IL-6・MMP-9・MMP-12を含む細胞老化随伴分泌現象因子と同様に減少した。