冠動脈バイパス移植手術における、ケルセチンの抗炎症および老化細胞除去効果: 無作為化プラセボ対照第II相臨床試験
Design of a Randomized Placebo-Controlled Trial to Evaluate the Anti-inflammatory and Senolytic Effects of Quercetin in Patients Undergoing Coronary Artery Bypass Graft Surgery
- 著作名:
- Olina Dagher
- Pauline Mury
- Pierre-Emmanuel Noly
- Annik Fortier
- Guillaume Lettre
- Eric Thorin
- Michel Carrier
- 出典:
- Frontiers in Cardiovascular Medicine
- 2021
- 8
- 741542
- DOI:
- 10.3389/fcvm.2021.741542
- 要旨:
- 冠動脈バイパス移植手術における、ケルセチンの効果を検証した第II相臨床試験。モントリオール心臓病院にて冠動脈バイパス移植手術を受けた患者100名を対象に、無作為化・二重盲検・プラセボ対照で実施した。被験者をランダムに2群に分け、手術前2日~手術後7日の間、50名はケルセチン1000 mg/day(朝夕に500 mgずつ)を服用し、残る50名にはプラセボを投与した。主要エンドポイントは、血中の炎症性サイトカイン・心筋損傷マーカー・老化マーカーに対するケルセチンの効果とした。この評価のために、治療前・手術翌日・手術後4日・手術後7日を期限とする退院時の計4回、採血を行った。また、内皮機能を副次的エンドポイントに設定し、動脈の壁から採取した内皮細胞の血管反応性とmRNAの発現を調べた。結果として、ケルセチンは手術後における激しい炎症応答を抑制し、老化した血管内皮細胞の排除により内皮機能を改善した。