分子ドッキングによる、ゲニステインとケルセチンのTMPRSS2に対する阻害効果の解明: SARS-COV-2の宿主細胞への侵入を促進するスパイク蛋白質
Molecular docking analysis reveals the functional inhibitory effect of Genistein and Quercetin on TMPRSS2: SARS-COV-2 cell entry facilitator spike protein
- 著作名:
- Reji Manjunathan
- Vijayalakshmi Periyaswami
- Kartik Mitra
- Arokiaraj Sherlin Rosita
- Medha Pandya
- Jayaraman Selvaraj
- Lokesh Ravi
- Nalini Devarajan
- Mukesh Doble
- 出典:
- BMC Bioinformatics
- 2022
- 23
- 180
- DOI:
- 10.1186/s12859-022-04724-9
- 要旨:
- II型膜貫通型セリンプロテアーゼ(TMPRSS2)はヒトの体内に存在するが、新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)の表面蛋白質を分解して宿主細胞への侵入をアシストする、いわば内なる敵である。アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)はSARS-CoV-2の宿主受容体であり、ケルセチンがその働きを阻害することが知られている。しかし、本質的なケルセチンの作用はTMPRSS2の阻害であり、ACE2の阻害はその結果起こる産物との考えが最近提唱された。そこで、分子ドッキングによりケルセチンのTMPRSS2への親和性を計算した。その結果、ケルセチンはTMPRSS2の親水性の触媒部位と3か所の水素結合で相互作用し、−7.8 kcal/molの結合親和性を示し、仮説を裏付けた。