イソラムネチンは、ミトコンドリア依存性の内因性アポトーシスとPI3K/Akt/mTOR経路を標的として、アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞の増殖と転移を阻害する
Isorhamnetin inhibited the proliferation and metastasis of androgen-independent prostate cancer cells by targeting the mitochondrion-dependent intrinsic apoptotic and PI3K/Akt/mTOR pathway
- 出典:
- Bioscience Reports
- 2020
- 40
- BSR20192826
- DOI:
- 10.1042/BSR20192826
- 要旨:
- 前立腺癌には、アンドロゲン依存性と非依存性の2種類がある。アンドロゲン非依存性の前立腺癌細胞株DU145およびPC-3にイソラムネチンを作用すると、その生長および乳酸脱水素酵素の放出を著しく阻害した。メカニズムとして、ミトコンドリア依存性の内因性アポトーシスを介することが示唆された。一方イソラムネチンは、アンドロゲン依存性のLNCaPやヒト由来前立腺内皮細胞PrEC (正常細胞)には、毒性を示さなかった。イソラムネチンはまた、間葉上皮転換を促進し、MMP-2および9の過剰発現を阻害して、DU145とPC-3の遊走と浸潤を濃度依存的に阻害した。PI3K・Akt・mTORそれぞれのリン酸化体の発現が下方調節されており、イソラムネチンによるPI3K/Akt/mTORシグナル伝達の遮断が、メカニズムとして提唱された。