ケルセチンはミトコンドリアCPT1を調節して、乳癌の転移における脂肪酸酸化を遅延する
Quercetin: a silent retarder of fatty acid oxidation in breast cancer metastasis through steering of mitochondrial CPT1
- 著作名:
- Bhuban Ruidas
- Tapas Kumar Sur
- Chitrangada Das Mukhopadhyay
- Koel Sinha
- Sutapa Som Chaudhury
- Pramita Sharma
- Shovonlal Bhowmick
- Rabindranath Majumder
- Achintya Saha
- 出典:
- Breast Cancer
- 2022
- 29
- 748–760
- DOI:
- 10.1007/s12282-022-01356-y
- 要旨:
- 乳癌の転移に要するエネルギーは、カルニチンパルミトイル転移酵素1(CPT1)が支配する脂肪酸酸化が供給することが知られている。従って、ケルセチンのCPT1に対する作用に着目して、研究を進めた。分子ドッキングは、ケルセチンのCPT1に対する高い親和性を示唆した。乳癌細胞にてケルセチンは、ミトコンドリア呼吸と解糖機能を大幅に低下し、活性酸素種が上昇し、アポトーシスを誘導した事実も、CPT1の阻害作用を裏付けた。また、乳癌のモデルマウスにおいてもケルセチンは、優れた抗腫瘍活性に加えて、脂質プロファイルと酸化ストレスも改善した。