ケルセチンはSIRT1/AMPK経路を活性化し、酸化ストレスが原因の小胞体ストレスを抑制して、敗血症が誘発した急性肺損傷を軽減する
Quercetin attenuates sepsis-induced acute lung injury via suppressing oxidative stress-mediated ER stress through activation of SIRT1/AMPK pathways
- 出典:
- Cellular Signalling
- 2022
- 97
- 110363
- DOI:
- 10.1016/j.cellsig.2022.110363
- 要旨:
- Vivo: マウスの盲腸を結紮で穴を空けて、敗血症のモデルを確立した。ケルセチンを投与すると、敗血症に起因する肺組織の病変と酸化的な損傷を軽減した。Vitro: マウス由来肺上皮細胞MLE-12をリポ多糖で刺激して、敗血症による急性肺損傷の細胞シミュレーションとした。ケルセチンを添加すると、小胞体ストレスに関連するmRNA(PDI・CHOP・GRP78・ATF6・PERK・IRE1α)の発現を顕著に抑制し、その結果ミトコンドリア不全を改善した。また、活性酸素種とマロンジアルデヒドの減少も確認した。トランスクリプトーム解析により、ケルセチンはSIRT1/AMPK経路に関連するmRNAを上方調節することを見出した。さらに、SIRT1をノックダウンしたMLE-12細胞では、ケルセチンの効果が打消された。