糸葉泡立草(Solidago graminifolia)とその主要代謝産物ケルセチンとクロロゲン酸の、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)に対する殺虫活性: in vitroおよびin silicoアプローチ
Insecticidal Activity of Organic Extracts of Solidago graminifolia and Its Main Metabolites (Quercetin and Chlorogenic Acid) against Spodoptera frugiperda: An In Vitro and In Silico Approach
- 著作名:
- Verónica Herrera-Mayorga
- José Alfredo Guerrero-Sánchez
- Domingo Méndez-Álvarez
- Francisco A. Paredes-Sánchez
- Luis Víctor Rodríguez-Duran
- Nohemí Niño-García
- Alma D. Paz-González
- Gildardo Rivera
- 出典:
- Molecules
- 2022
- 27
- 3325
- DOI:
- 10.3390/molecules27103325
- 要旨:
- ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)は、トウモロコシの世界的な害虫であり、その対策が渇望されている。ツマジロクサヨトウの幼虫を用いて、糸葉泡立草(Solidago graminifolia)抽出物の殺虫活性を、エタノール・ジクロロメタン・ヘキサンの抽出溶媒を変えて比較した。その結果、エタノール抽出物が最も高い死亡率81%を示し、LC50値は0.496 mg/mLであった。また、糸葉泡立草の主要な2次代謝産物はケルセチンとクロロゲン酸であるが、ケルセチンがLC50値0.157 mg/mLの殺虫活性を示したのに対し、クロロゲン酸は不活性であった。しかし、クロロゲン酸がケルセチンの作用に拮抗することは、認めなかった。分子ドッキングの結果、ツマジロクサヨトウ由来のアセチルコリンエステラーゼとケルセチンの結合エネルギーを−5.4 kcal/molと算出した。また、ケルセチンと、同酵素のトリプトファン198・チロシン235・ヒスチジン553とのπ-π相互作用も示唆した。