ネットワーク薬理学による、ケルセチンがヘモクロマトーシスに作用する主要メカニズムの解明
Network pharmacology-based identification of the key mechanism of quercetin acting on hemochromatosis
- 出典:
- Metallomics
- 2021
- 13
- mfab025
- DOI:
- 10.1093/mtomcs/mfab025
- 要旨:
- ヘモクロマトーシスは、体内に過剰な鉄分が蓄積されて発症する。本研究では、ヘモクロマトーシスに対するケルセチンの保護効果と、そのメカニズムをネットワーク薬理学にて解明した。ヘモクロマトーシスの疾患標的をデータベースで探索し、蛋白質間相互作用ネットワークを構築した。さらに、遺伝子オントロジー解析により、ケルセチンとグリコシル化の関係を明らかにした。別途実施したvitro実験では、ケルセチンが活性酸素種の生成を阻害し、グリコサミノグリカンを分解して、細胞を鉄過剰状態から保護することを見出した。また、細胞内に鉄が過剰に存在すると、フェロトーシスを引起こすが、ケルセチンは潜在的なフェロトーシス阻害剤であった。