ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンを多く含むタマネギ(Allium cepa)抽出物は副腎皮質癌細胞株に強力な細胞毒性を示し、ケルセチンが抗癌活性を誘導する

Quercetin-Rich Extracts from Onions (Allium cepa) Play Potent Cytotoxicity on Adrenocortical Carcinoma Cell Lines, and Quercetin Induces Important Anticancer Properties

要旨:
タマネギ抽出物のケルセチンを多く含む画分は、副腎皮質癌細胞株H295RおよびSW-13に強い細胞毒性を示した。両細胞株を用いて、ケルセチンと既存治療薬ミトタンの阻害活性を比較した。その結果、両細胞株ともにケルセチンは10 μMの濃度で有効な阻害活性を示すが、ミトタンが活性を示し始める濃度は30 μMであり、ケルセチンの方が優れていた。次に、細胞周期の停止に関する、ケルセチンの特性を調べた。ケルセチンは30 μMの濃度でH295RのG2期を増大させ、15 μMでSW-13のG1期を停止した。以上の結果は、タマネギが副腎皮質癌の治療に有効な天然素材であることを示唆した。