ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

糖尿病性腎症ラットの酸化ストレスとTGF-β1/Smad経路を阻害して、ケルセチンは糸球体上皮細胞の損傷を改善する

Quercetin ameliorates podocyte injury via inhibition of oxidative stress and the TGF-β1/Smad pathway in DN rats

要旨:
ストレプトゾトシンで惹起した糖尿病性腎症のモデルラットに、ケルセチンを投与した。ケルセチンは、血糖値・腎重量/体重比・アルブミン尿・クレアチニンクリアランス・血中尿素窒素と中性脂肪を低減するとともに、酸化ストレスを大幅に緩和した。更にケルセチンは、糸球体上皮細胞の消失を阻害し、糸球体基底膜の厚みを減少した。メカニズムとしてケルセチンは、糸球体上皮細胞に特有なマーカーであるネフリンとポドシンの発現を上昇して、同細胞損傷のマーカーであるデスミンの発現は阻害した。ケルセチンはまた、TGF-β1・p-Smad2・p-Smad3の発現を阻害し、Smad7の発現は促進しており、TGF-β1/Smad経路の阻害が示唆された。