培養したケルセチンはNLRP3を阻害して、レジスチンがヒト結腸直腸癌細胞に誘発した5-フルオロウラシルに対する抵抗性を軽減する
Inhibition of NLRP3 by Fermented Quercetin Decreases Resistin-Induced Chemoresistance to 5-Fluorouracil in Human Colorectal Cancer Cells
- 出典:
- Pharmaceuticals
- 2022
- 15
- 798
- DOI:
- 10.3390/ph15070798
- 要旨:
- ヒト由来結腸直腸癌細胞株HCT-116およびDLD-1に抗癌剤5-FUを作用すると、生存率は濃度依存的に減少した。しかし、レジスチンの存在下では生存率の低下が抑制され、5-FUへの抵抗性を示した。HCT-116もDLD-1も時間の経過と共にNLRP3のmRNAの発現が増加し、NLRP3阻害剤はレジスチンによる5-FU抵抗性を打消した事実は、レジスチンによるNLRP3の活性化を示唆した。実際、ERKおよびTLR4シグナル伝達の阻害は、NLRP3の発現を抑制して、レジスチンの存在下でも5-FUの抗癌作用を維持した。乳酸菌ラクトバシラス属と共培養したケルセチンは、ERK阻害剤やTLR4阻害剤と同様に、NLRP3の発現を抑制して、レジスチンによる5-FU抵抗性を改善した。しかし、共培養していないケルセチンでは効果が見られなかった。