ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンによる低酸素誘導因子1α(HIF-1α)発現の調節: in silico研究

The Regulation of Hypoxia Inducible Factor (HIF)1α Expression by Quercetin: an In Silico Study

要旨:
ケルセチンは低酸素誘導因子1α(HIF-1α)の発現を阻害して抗癌作用を発揮することが知られているが、今回はユビキチン経路によるHIF-1αの分解を分子ドッキングでシミュレーションした。ユビキチンへの転移を触媒する酵素pVHLとHIF-1αとの親和性は、ケルセチンの存在の有無で大きく変化した。すなわち、ケルセチンの不在下では-699.4 kJ/molであったが、存在下では-728.1 kJ/molに変化して安定化された。よって、ケルセチンはHIF-1αとpVHLの相互作用を促進して、ユビキチン経路による分解の促進を示唆した。