ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

糖尿病性足潰瘍の細菌性病原菌に対する、ケルセチン-4-ホルミルフェニルホウ酸複合体の創傷治癒効果と抗菌活性

Wound-Healing and Antibacterial Activity of the Quercetin–4-Formyl Phenyl Boronic Acid Complex against Bacterial Pathogens of Diabetic Foot Ulcer

要旨:
4-ホルミルフェニルホウ酸を、ケルセチンB環のカテコール部分と縮合して、新規複合体を合成した。この複合体の最少発育濃度は、グラム陽性菌と陰性菌の両方とも、ケルセチンの1/2以下にまで増強された。特に緑膿菌と黄色ブドウ球菌に関しては、完全な死滅を電子顕微鏡で確認した。複合体はまた、糖尿病モデルラットにて優れた創傷治癒効果を示した。さらに、創傷10日後の組織病理学的評価にて、創傷治癒の他に、再上皮化・線維芽細胞・血管新生も認めた。