膀胱癌の薬物治療後における下部尿路機能障害の予防: ヒアルロン酸・コンドロイチン硫酸・クルクミン・ケルセチン(Ialuril®ソフトゲル)の摂取
Oral Preparation of Hyaluronic Acid, Chondroitin Sulfate, Curcumin, and Quercetin (Ialuril® Soft Gels) for the Prevention of LUTS after Intravesical Chemotherapy
- 著作名:
- Celeste Manfredi
- Lorenzo Spirito
- Francesco Paolo Calace
- Raffaele Balsamo
- Marco Terribile
- Marco Stizzo
- Lorenzo Romano
- Luigi Napolitano
- Gianluigi Califano
- Luigi Cirillo
- Giovanni Maria Fusco
- Claudia Rosati
- Carmelo Quattrone
- Carmine Sciorio
- Massimiliano Creta
- Nicola Longo
- Marco De Sio
- Davide Arcaniolo
- 出典:
- Pathophysiology
- 2022
- 29
- 365-373
- DOI:
- 10.3390/pathophysiology29030028
- 要旨:
- 膀胱癌の薬物治療を受けている患者を対象とする、Ialuril®ソフトゲルの摂取が下部尿路機能障害を予防する効果を検証した臨床研究。無作為化・二重盲検・プラセボ対照で実施した。被験者38名をランダムに2群に分け、片方の19名はIaluril®ソフトゲル(1カプセル当り: ヒアルロン酸20 mg, コンドロイチン硫酸200 mg, クルクミン200 mg, ケルセチン200 mg)を摂取し、残る19名はプラセボを服用した。膀胱癌の薬物治療は、最初の月は週1回の点滴、次の12か月は月1回の点滴であるが、その前後にIaluril(もしくはプラセボ)の摂取期間を設けた。すなわち、最初の月は、第1回の点滴の1週間前~第4回から30日後を摂取期間とした。また、続く月1回の点滴に関しては、点滴の1週間前~点滴の14日後を摂取期間とした。1日の摂取量は、2カプセルとした。治療およびIaluril(もしくはプラセボ)の摂取が継続中の、開始から1, 4, 7, 13か月後に症状の聞き取りによるモニタを行った。下部尿路機能障害の重症度を示す国際前立腺症状スコア(IPSS)は、4か月後は13 vs. 17 (P=0.038)、7か月後は10 vs. 18 (P<0.001)、13か月後は10 vs. 17 (P=0.002)であった。痛みの自覚症状を示す可視化類似指標(VAS)は、7か月後は22 vs. 37 (P=0.021)、13か月後は20 vs. 35 (P=0.024)であった。いずれも群間有意差を示しており、Ialurilによる下部尿路機能障害の予防効果が示された。