ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンは安定狭心症患者におけるNF-κBの転写活性を低下する

Quercetin reduces the transcriptional activity of NF-κB in stable coronary artery disease

要旨:
48~67歳の安定狭心症患者(II度以上の心不全は除外)85名を対象とする、臨床研究。ランダムに2群に分け、30名は通常の治療(β遮断薬・スタチン・アスピリン)に加えて、ケルセチンを毎日120 mg摂取した。残る55名は対照群として、通常の治療のみを行った。2ヶ月間の摂取期間が終了した後、血液検査を行った。その結果、ケルセチン群は対照群と比べて血中のIL-1βの減少が顕著であった(P=0.008)。また、血中単核細胞におけるIkBαの遺伝子発現の減少にも、群間有意差を示した(P=0.003)。IkBαとNF-κBの活性化は互いに連動しているため、ケルセチンの摂取は、NF-κBの転写活性の低下に有効である。