ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

強力な OXA-48 β-ラクタマーゼ阻害剤としてのケルセチンとその類縁体

Discovery of Quercetin and Its Analogs as Potent OXA-48 Beta-Lactamase Inhibitors

要旨:
β-ラクタマーゼの一種であるOXA-48は、菌類がカルバペネム系抗生物質への耐性を獲得する鍵酵素である。フラボノイドからOXA-48阻害物質をスクリーニングしたところ、フィセチン、ルテオリン、ケルセチンが強い阻害作用を示し、IC50値は0.47, 0.55, 1.47 μMであった。分子ドッキングは、フラボノイドの7位・3'位・4'位のフェノールが、OXA-48のGln193・Thr209・Ala194のそれぞれと水素結合で相互作用することを示唆した。OXA-48を産出する大腸菌に感染させたマウスに、ピペラシリンとケルセチンの組合せを投与すると、肝および脾組織の菌数が、それぞれの単独投与時の約1/100に減少した。