ダウノルビシン耐性を獲得したヒト由来膵癌細胞株における、P糖蛋白質の発現と機能のケルセチンによる調節
Quercetin as a Potential Modulator of P-Glycoprotein Expression and Function in Cells of Human Pancreatic Carcinoma Line Resistant to Daunorubicin
- 出典:
- Molecules
- 2010
- 15
- 857-870
- DOI:
- 10.3390/molecules15020857
- 要旨:
- 2種類のヒト由来膵癌細胞株を用いて、ケルセチンの挙動を調べた。すなわち、ダウノルビシン耐性のEPP85-181RDB細胞と、耐性でないEPP85-181Pを比較した。ケルセチンは濃度依存的に、細胞膜におけるP糖蛋白質の発現を阻害し、その遺伝子ABCB1の発現も減少した。P糖蛋白質は薬物トランスポーターとして耐性の根底をなし、ダウノルビシン耐性はケルセチンで解消したことになる。