ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ルチンとオキシドバナジウム(IV)カチオンとの相互作用: フラボノイド配糖体の抗癌作用の改善

Interactions of rutin with the oxidovanadium(iv) cation. Anticancer improvement effects of glycosylated flavonoids

要旨:
ルチンB環の3',4'-カテコール部分がバナジウム(IV)と対イオンを形成する錯体 Na2[VO(rutin)(OH)2]・5H2Oを新規に合成した。100 µMの濃度ではルチンもVOCl2もヒト由来肺癌細胞株A549に細胞毒性を示さなかったが、新規錯体は95 µMのIC50値を示した。新規錯体はA549内に活性酸素種を生成し、グルタチオンは酸化型を増大して還元型は減少した。その一方で、新規錯体は100 μMまでの濃度にて、胚性肺細胞株MRC-5(正常細胞)には毒性を示さなかった。